羽生善治九段が理事選立候補、連盟会長就任へ 佐藤九段は退任表明

村瀬信也
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 日本将棋連盟は4日、羽生善治九段(52)が理事を選ぶ予備選挙に立候補したと発表した。信任投票を経て互選されれば、6月に任期満了を迎える佐藤康光会長(53)の後任として会長に就任する見込み。タイトル独占や永世名人の資格獲得など、数々の実績を残してきた第一人者が運営面でかじ取りを担うことになる。

 佐藤会長は同日、東京都渋谷区将棋会館で記者会見を開き、今回の予備選に立候補せず、6月の任期満了で退任することを発表した。2017年の就任後の取り組みを振り返り、「タイトル戦、女流棋戦が増え、棋士や女流棋士が表現できる場所が増えた」と話した。羽生九段の立候補について、「このことで話し合ったことはない」としつつ、「非常に大きな事実だと思っている」と述べた。

 予備選の立候補は4日午後5時に締め切られ、定数7で候補者7人。26日に棋士や一部の女流棋士らによる信任投票の後、6月9日の通常総会で正式承認される。選出された常務理事らによる互選を経て、新会長が決まる。連盟の「顔」として対外的に交渉役を担う会長職は名人などのタイトル経験者が歴代務めており、今回は羽生九段が選ばれる見通し。任期は2年。

 連盟は24年に創立100周年を控えており、それに合わせて東京と大阪で新しい将棋会館を建設する計画が進んでいる。羽生九段は立候補に際し、「この度、日本将棋連盟役員選挙に立候補する届出(とどけで)を提出しました。2024年に100周年を迎えるにあたり自分なりに力を尽くす所存です」とするコメントを発表した。村瀬信也

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