大阪から伊勢神宮まで、社会人になる前にリヤカー引いて気付いたこと
3月に高校を卒業したばかりの岡本京花さん(18)が、母校の教師である永瀬忠志さん(67)と5日間、それぞれリヤカーを引いて歩きました。大阪市の母校から東、東へと155キロ離れた三重県の伊勢神宮へ。微熱、花粉症、足の痛みを乗り越え、人の温かさにも励まされた岡本さん。4月から社会人として一歩を踏み出す前に、ある大切なことに気づかされました。
スタートは3月26日、大阪市城東区にある府立成城高校。朝から雨だった。「歩いているうちに、きっと晴れてきます。プラスに考えます」と岡本さん。
朝9時前、2人は出発した。岡本さんのペースに合わせるために、前を岡本さん、後ろを永瀬さんが行く。初日、雨はやまなかった。25キロを歩き、奈良県香芝市でキャンプした。
2日目は晴れたが、岡本さんに微熱が出た。道の段差で岡本さんが足を少し痛めるアクシデントも発生した。途中の奈良県桜井市のスーパーについたとき、永瀬さんは、目を疑った。
ウソやろ!?
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永瀬さんは2011年から成城高校で、ものづくりを教える教師として働く。毎年リヤカーを新しくつくり、着替え、食料、テント、スパナ、胃薬など100を超える備品を積んで伊勢神宮まで歩いてきた。「いっしょに行かへんか?」と生徒を誘うが、手を挙げる生徒は2~3年に1人。コロナ禍もあって、しばらくは永瀬さんが1人で歩いてきた。
岡本さんは、ものづくりを学…
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