「女性しか立候補できない選挙区」 英労働党、30年かけて半数超え
女性議員を増やす取り組みが日本でなかなか進まないなか、約30年にわたって「女性しか立候補できない選挙区」を導入し、女性議員を増やした政党がある。英国の労働党だ。1992年当時、1割ほどだった同党の女性議員は、今では半数を超える。労働党を長年研究してきた成蹊大の今井貴子教授は「女性議員を増やす大きなきっかけをつくった」と話す。
欧州連合(EU)離脱の是非が最大の争点となった2019年の英国の下院総選挙(定数650)。EU残留を訴えた労働党は、歴史的な大敗を喫した。
しかし、労働党の選挙結果には別の歴史的な意義があった。全当選議員202人のうち女性議員が104人で半数を超えたのだ。今井教授は「議員数の男女平等を主要政党として英国史上初めて達成した」と話す。
総選挙4連敗、党のあり方を抜本見直し
女性議員が増えた大きな要因が、女性しか立候補できない選挙区をつくる「女性だけの公認候補名簿」(オール・ウィメン・ショートリスト=AWS)。導入は1993年。前年92年まで総選挙で4連敗を喫し、党のあり方を抜本的に見直す必要に迫られていた時期だった。
敗因の一つは、女性の支持率…
- 【視点】
日本でも「女性限定選挙区」は広がるのか。この英国労働党のチャレンジは、非常に参考になると思います。ある女性議員がこう言っていました。「都道府県連の幹部が男性ばかりで、そもそも女性を登用しようという機運がまったくない」。記事にある「選挙区の候
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