島国のハンデ、乗り越えるには 現役アスリートから次世代への贈り物

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内田快、編集委員・稲垣康介
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 世界に羽ばたく後進を育てる取り組みがテニス界で次々と始まっている。

 最新の世界ランキングで日本人最高の34位にいる西岡良仁(27)=ミキハウス=がジュニアを対象として大会をつくれば、伊達公子さん(52)ら元世界50位以内の女子選手でつくる団体も国際大会を今春、創設する。

 自己最高78位の実績を持つ内山靖崇(30)=積水化学=も、現役選手ながら次世代のため、2021年から大会を開いている。

 場所は故郷の札幌市。名称は「UCHIYAMA CUP」。1大会当たりの賞金総額は2万5千ドル(約330万円)。

 昨年は日本テニス協会を通して国際テニス連盟(ITF)に申請し、国際大会として2度、開催した。

 審判やスタッフの航空券、宿泊代、報酬やコート使用料なども含めた総費用は2大会で計2千数百万円。スポンサー企業の支援で賄えない分は、ポケットマネーの持ち出しだ。

 自ら大会を開こうと考え始めたのは、プロとして目標に掲げた世界100位入りを果たした19年。100位というのは4大大会の本選に出られる目安だ。

 テニス界への恩返しとして、北海道で子どもたちと定期的にプレーすることも選択肢にはあった。

 ただ、一人ひとり、身長も違えば、向いているプレースタイルも違う。

 だから、みんなに自分のプレーを参考にしてもらう必要はないと思った。子どもたちがいろんな選手を見る機会をつくれないかと考えて、大会開催に行き着いた。

 大会にこだわった理由はもう…

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    中川文如
    (朝日新聞スポーツ部次長)
    2023年4月12日7時15分 投稿
    【視点】

    現役アスリートが、その影響力を最大化できる現役であるうちに、次世代育成へと目を向ける。そんな取り組みの広がりをリポートしたいと同僚から提案を受け、デスクワークを担当しました。自らのパフォーマンス向上のみに集中したいはずの彼らが、子どもたちの

    …続きを読む