第13回ため息とすすり泣きと恨み節と 今井瑠々氏にはじかれ「本命」落選

有料記事統一地方選挙2023自民立憲

深津弘 安倍龍太郎 本井宏人
[PR]

 新顔3人が争った岐阜県議選多治見市選挙区(定数2)で勝ち残ったのは、旧民主党系無所属の判治康信氏(47)と、自民党から推薦を受けた無所属の今井瑠々(るる)氏(27)だった。あおりを受けたのが自民公認で本命視されていた友江惇氏(36)。「自民の支持団体の95%が付いた」(陣営幹部)が、2位の今井氏に812票差で沈んだ。

 その友江氏の事務所。9日深夜、落選が決まると、詰めかけた支援者からはため息とすすり泣く声が漏れた。重い足取りで姿をみせた友江氏や、自民の古屋圭司・元国家公安委員長(70)=岐阜5区=らは目を潤ませながら、何度も深々と頭を下げた。友江氏や古屋氏らは敗戦の弁を述べ、「申し訳ありませんでした」と繰り返した。

 自民の同市支部幹部は恨み節を漏らす。「古屋氏のせいでこんなことに。友江氏は割を食った」

立憲民主党から自民党に電撃転身し、岐阜県議選に立候補した今井氏が初当選しました。その一方、自民の本命だった公認候補の友江氏が落選の憂き目に。まさかの展開に古屋氏への不満の声が聞こえてきます。

 多治見市選挙区では、1987年から非自民と議席を1議席ずつ分け合ってきた。多治見、中津川、瑞浪、恵那、土岐の東濃5市からなる衆院岐阜5区で、古川雅典・多治見市長(70)は唯一の非自民。革新系の市長が28年間続く同市での勢力拡大は、古屋氏ら自民側の悲願でもあった。

 そこで自民の2議席独占を狙…

この記事は有料記事です。残り1204文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    星野典久
    (朝日新聞政治部次長)
    2023年4月10日12時25分 投稿
    【視点】

    逆風のさなか生き残った今井瑠々氏がどうしても注目されがちですが、今回の「多治見の戦い」で重要なのは、旧民主党系の判治康信氏がトップ当選し、自民公認の本命・友江淳氏が落選の憂き目に遭ったという政治の「リアル」です。つまり、自民票は見事に二分さ

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    岩尾真宏
    (朝日新聞名古屋報道センター次長)
    2023年4月10日13時9分 投稿
    【視点】

    奈良県知事選と同様、こちらも地元に「遺恨」を残す形となりました。自分や後継者を脅かしかねない存在の今井氏をいったん県議に押し込められる上、党勢の拡大にもつなげることができる。古屋氏にとってはまさに「一石二鳥」だったものの、ふたを開けてみると

    …続きを読む
統一地方選挙・衆参補選2023年

統一地方選挙・衆参補選2023年

ニュースや連載、候補者など選挙情報を多角的にお伝えします。[もっと見る]

連載ルポ 注目の選挙(統一地方選・衆参補選2023)(全36回)

この連載の一覧を見る