中ロ間にくさびは「無理」 習氏とプーチン氏「ブロマンス」の深層

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ワシントン=下司佳代子
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 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が3月、モスクワでプーチン大統領と会談しました。米国では「兄弟」と「ロマンス」を掛け合わせた「ブロマンス」という言葉で形容されるほど、2人は表向き親密にみえますが、その思惑は――。中ロ関係に詳しい米カーネギー国際平和財団ロシア・ユーラシアセンターのアレクサンドル・ガブエフ部長に聞きました。

 Alexander Gabuev ロシアの外交政策や中ロ関係が専門。ロシアの有力紙コメルサントの元編集委員。ロシア語、英語、中国語、ドイツ語を話す。

 ――習氏のモスクワ訪問は、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン氏に逮捕状を発行した直後でした。

 プーチン氏が(逮捕状で)ウクライナの子どもに対する非常に重大な犯罪の疑いをかけられていても、習氏のロシア訪問を妨げる理由にはならないということです。両国関係や、中国のロシア支援の重要性を象徴しています。この機を逃せないほど深刻な協議課題があったのでしょう。

 ――中ロ両国の関係をどうみていますか。

 中国の方が経済規模が大きく…

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2023年4月10日18時37分 投稿
    【視点】

    非常に得るところの大きい有益なインタビュー記事だった。 特に、「ロシアの意思決定プロセスの機能不全を物語っているに過ぎません。共同声明の作成は外務省が行い、核配備計画の準備は国防省が行います。プーチン氏は、共同声明を最後まで読み込んで深く

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