植田・日銀総裁会見の主なやりとり 長短金利操作「現行継続が適当」
日本銀行新総裁に就任した植田和男氏が10日夜、記者会見に臨んだ。会見での主なやりとりは次の通り。
――就任にあたっての抱負は。
「長年、金融政策を研究対象にし、審議委員として政策運営や中央銀行実務にも携わった。こうした経験を生かして、物価の安定の達成というミッションの総仕上げに向けて、理論・実務の両面で尽力してまいりたい」
――3月に欧米の銀行の破綻(はたん)、救済が相次いだが、日本経済への影響は。
「各国当局が迅速な対応をしたこともあり、市場は落ち着きを取り戻しつつあると見ている。日本の金融環境は、緩和的な状態が続いていること、日本の金融機関が充実した資本、十分な流動性を備えているということから、金融仲介機能は今後も円滑に発揮されていくと評価している。したがって、現時点でこの問題が日本経済に大きな影響を与えるというふうには見ていない。ただ、市場における不透明感、不安感が完全に払拭(ふっしょく)されたという状態ではないと考えており、今後の状況をしっかりと注意してまいりたい」
――10年間続いた大規模金融緩和の包括的な点検や検証を行う必要があるか。
「現在の強力な緩和が、ある…
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