「死んだ方が…」味覚失い仕事やめた40歳のソムリエ さらなる試練

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村山知博
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 3年前のクリスマス。田村友佳さん(40)の体調は、最悪だった。

 発熱と頭痛に加え、おなかの調子もよくない。もしや――。

 2カ所で診察を断られ、29日にようやく新型コロナ陽性と判定された。

 元日、宿泊療養のため都心のホテルに入った。「なんてお正月なんだろう」。ベッドの上で独りひざを抱えた。

 大学時代にアルバイトをしたイタリアンレストランで「君はサービスの資質があるよ」といわれ、接客のプロになることを決めた。

 卒業後はあちこちのフレンチレストランで修業を積んだ。管理栄養士の資格をとり、ワインのソムリエ試験にも合格した。

 2021年は心機一転の年になるはずだった。都心のフレンチレストランからスカウトされ、新年から働くことになっていた。

 「よりによって大事なときに」

 恨めしく思っている田村さんを、ショッキングなできごとが襲った。

 髪を洗うときにシャンプーのにおいがしない。何を食べても味がしない。味覚や嗅覚(きゅうかく)が、なくなっていた。

 ホテル療養を終えて自宅に戻ると、身の危険を感じるできごとが起きた。

 不調の原因は、新型コロナの後遺症だけではありませんでした。女性の本当の病名は……

 鍋を火にかけているのを忘れ…

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