第2回「出るなら20代」出費2万円で村議に フランス生まれ29歳の挑戦
国内外から多くの観光客が訪れる人口9千人弱の村で2021年4月、加藤ソフィーさん(29)が村議に初当選した。村政史上最年少だった。そして朝日新聞の調査では、今年1月時点で20代の女性村議は全国で加藤さんしかいない。
選挙の告示日、加藤さんは「なんだ、これは!?」と驚いたことを覚えている。村の選挙管理委員会から選挙ポスターの掲示場所を示す紙の地図を渡されたことだ。
高校時代からスマートフォンの地図アプリを使う加藤さんにとって「宝探しみたいだった」という。手伝ってくれた友人と手分けして、楽しみながら67カ所の掲示場に貼った。
5日間の選挙戦では、選挙カーは出さず、街頭演説もしなかった。その2年前から村内でベジタリアンカフェを経営しており、「営業していて動けなかったので」。
代わりに、任期の4年間で実現したいことを動画で撮影。YouTubeやインスタグラムで配信し、選挙ポスターに載せたQRコードからもつながるようにした。
訴えは食に関することだけ。
自身も取り組んでいた有機農業を村で推進し、採れた農作物は地元の学校給食に生かし、地域内で消費する仕組みをつくりたいと呼びかけた。
「数字で結果が出るので、どれだけ賛同してくれる人がいるのか見てみたかったんです」。305票は候補14人のうち10番目。定数12に入って初当選した。
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