関西電力、7月に原発全7基が「フル稼働」へ 福島事故後初
関西電力は、福井県内の原発の2023年度の保守運営計画を発表した。6月に高浜原発1号機、翌月に同2号機が再稼働する。関電が所有する全7基の「フル稼働」は、東京電力福島第一原発事故後、初めて。運転実績の指標の一つ「設備利用率」も約78%と事故前の10年度の水準に戻るという。
関電の原発は県内だけに立地する。第一原発事故前は11基体制だったが、事故後に相次いで停止。一時はすべてが止まった。
関電の所有する11基の原発がすべて稼働していたのは09年2月が最後だ。
事故を受け、安全対策がより厳しくなったことから、15年に美浜原発1、2号機、18年に大飯原発1、2号機の計4基を廃炉とし、7基体制になった。関電は原発の発電能力の3分の1を失った。
その後、12年7月に大飯原発3、4号機、16年1月に高浜原発3号機、同2月に同4号機、21年6月に美浜原発3号機が再稼働した。同機は事故後の規制基準で国内初の40年超えの原発として再稼働した。
同じように40年超え運転が認められた高浜1、2号機は、それぞれテロ対策施設の完成後の今年6月と7月に再稼働する予定だ。
関電の原発の設備利用率は、22年度実績に比べて29・9ポイント高く、10年度の78・2%と同程度の高い水準になる見込みという。
一方、同時に発表された22年度の運転実績で、自治体との安全協定に基づき報告された原発のトラブルは7件。このうち法律に基づく国への報告事案は2件で、高浜4号機の蒸気発生器の伝熱管損傷と自動停止だった。(佐藤常敬)
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