第1回発達障害の息子の行動が許せない母 「変わるべきは私」受けた訓練
A-stories 発達「障害」でなくなる日
息子(12)は、集団行動が苦手なのかもしれない。母(50)がそのことに気づいたのは、小学校にあがって間もなくのことだった。
ある日、担任から電話がかかってきた。
「授業中、クラスで周りにだれもいないような雰囲気で座っています」
登校後もランドセルから教科書を出さず、授業中もうわの空。教室の移動も遅く、クラス全員を待たせることもあるという。
友達とのトラブルもたびたびあった。
3年生のとき、休み時間中のドッジボールで、手加減することなく女子にボールを当てて泣かせてしまったことがあった。
「自分がされたらいやじゃないの?」
母が尋ねると、「俺は悪くない。ドッジボールのルールだから仕方ないし、自分だったら泣かない」と言い張った。
このころ、新型コロナの感染拡大により休校が続いていた。息子が自宅にいる時間が増えると、家庭内もぎくしゃくし始めた。
友達も家にこもり、外で遊べなくなった息子は、オンライン上で戦うゲーム「フォートナイト」をやりたがった。
それまで母は、一切のゲームを禁止していた。昔、読んだ育児本に「夜9時には寝かせないと睡眠不足になる」とあったからだ。
ゲームを許したら、睡眠不足になるのは間違いない。でも、いまは非常事態だ。学校の宿題を終えてから1時間半までというルールをもうけて解禁した。
だがこれが、災いの種となった。
あるとき息子が「夜9時から…
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