第1回発達障害の息子の行動が許せない母 「変わるべきは私」受けた訓練

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米田悠一郎
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A-stories 発達「障害」でなくなる日

 息子(12)は、集団行動が苦手なのかもしれない。母(50)がそのことに気づいたのは、小学校にあがって間もなくのことだった。

 ある日、担任から電話がかかってきた。

 「授業中、クラスで周りにだれもいないような雰囲気で座っています」

 登校後もランドセルから教科書を出さず、授業中もうわの空。教室の移動も遅く、クラス全員を待たせることもあるという。

 友達とのトラブルもたびたびあった。

 3年生のとき、休み時間中のドッジボールで、手加減することなく女子にボールを当てて泣かせてしまったことがあった。

 「自分がされたらいやじゃないの?」

 母が尋ねると、「俺は悪くない。ドッジボールのルールだから仕方ないし、自分だったら泣かない」と言い張った。

 このころ、新型コロナの感染拡大により休校が続いていた。息子が自宅にいる時間が増えると、家庭内もぎくしゃくし始めた。

 友達も家にこもり、外で遊べなくなった息子は、オンライン上で戦うゲーム「フォートナイト」をやりたがった。

 それまで母は、一切のゲームを禁止していた。昔、読んだ育児本に「夜9時には寝かせないと睡眠不足になる」とあったからだ。

 ゲームを許したら、睡眠不足になるのは間違いない。でも、いまは非常事態だ。学校の宿題を終えてから1時間半までというルールをもうけて解禁した。

 だがこれが、災いの種となった。

 あるとき息子が「夜9時から…

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年4月26日15時54分 投稿
    【視点】

    25歳の息子は小学校低学年のころは椅子に座っていられませんでした。なぜ立ち回るの?と尋ねると「立ってる方が気持ちがいい」と答えました。担任から「学級崩壊のもとになっている」と言われ、緊急保護者会で親御さんたちからも責められました。まだ発達障

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    【解説】

    ネットフリックスで昨年配信され、世界的に大ヒットとなった韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の主人公は、自閉スペクトラム症の女性です。ソウル大学を首席で卒業したにもかかわらず、発達障害を理由に就活に失敗。とある理由で、半年遅れで大手弁護士

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