訪中しているドイツのベアボック外相が14日、中国の秦剛(チンカン)国務委員兼外相と会談した。米中対立の下、欧州の対中姿勢に注目が集まるなか、ベアボック氏は台湾問題やウクライナ情勢などで中国に釘を刺す一方、経済面での関係維持の必要性にも言及した。
中国外務省によると、ウズベキスタンでの国際会議から戻ったばかりの秦氏が朝から天津市に出向き、前日に天津入りしていたベアボック氏と共に現地のドイツ企業を視察。高速鉄道に同乗して北京に案内するなど丁重に迎え入れた。
その後、両氏は北京で6回目となる中独の外交・安全保障戦略対話に臨んだ。
台湾めぐり応酬
ベアボック氏は対話後の共同会見で、台湾問題について「台湾海峡の不安定化は世界全体、そしてドイツにも影響を与える」と懸念を表明。「一方的な暴力による現状変更は、欧州人にとって受け入れられない」と、中国による武力統一に強く反対する立場を示した。
中国国営テレビによると、ベアボック氏の発言に対して秦氏は、「海外勢力の支持の下、台湾独立勢力が分裂活動を進めているのが緊張の根本的な原因だ」と反発。「台湾情勢の安定を望むなら、台湾独立に反対の立場を鮮明にし、外部からの干渉に反対するべきだ」と強調した。
米欧にくさび打ち込む中国
ロシアによるウクライナ侵攻…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら
- 【視点】
秦外相は共同会見で「中華民族とドイツ民族は冷静で理性的」「偉大な先賢、哲人が生まれている」として、孔子、老子、カント、ヘーゲルをあげました。 秦氏は「中独は共に世界的影響力のある大国」という言い方もしています。 習近平氏は先日訪中したフ
…続きを読む

ウクライナ情勢 最新ニュース
ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]