米国のブリンケン国務長官が15日、就任後初めてベトナムを訪れました。かつて戦火を交えた米国とベトナムは、中国の影響力を背景に関係を深めていますが、それぞれの思惑は異なるようです。米国と東南アジアの関係に詳しい米戦略国際問題研究所(CSIS)シニアアソシエートのマレー・ヒーバート氏に、見通しを聞きました。
――ブリンケン氏の今回のベトナム訪問をどう見ますか。
米国が南シナ海やこの地域に関与している姿勢を示し、米国とベトナムの関係を強化していることを示すものになるでしょう。
バイデン政権からはこれまで、ハリス副大統領やオースティン国防長官らがベトナムを訪問しており、あらゆるレベルでの交流が深まっています。米国にとっては、ベトナムが中国側ではなく、米国の友好国だと示したい狙いがあります。
――米国がベトナムとの関係強化を進めるのはなぜでしょうか。
米中対立のなかで、ベトナム…