大手電の不正閲覧、経産相が厳正処分要求 消費者相は料金めぐり注文

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 大手電力が競合する新電力の顧客情報を不正に見ていた問題で、5社に経済産業省業務改善命令を出したことに関し、西村康稔経産相は18日の閣議後会見で、関係者の厳正な処分などを求めた。さらに、西村氏は「再発防止、信頼回復に全力を挙げて取り組んでもらうよう強く求めていきたい」と述べた。

 経産省は17日、命令を関西、九州の両電力と関西電力送配電、九州電力送配電、中国電力ネットワークの5社に対して出した。さらに、経産省の電力・ガス取引監視等委員会は同日、東北電力四国電力など6社に業務改善勧告を出すなどした。

 処分を受け、各社は大手電力と送配電子会社のシステムを遮断することで閲覧を防ぐ「物理分割」を導入する方針を表明している。経産省もこれを求めており、西村氏は会見でも、システムの共用の「速やかな解消」を求めた。

 一方、大手電力7社は家庭向け規制料金の値上げを求めており、経産省の有識者会合で値上げ幅をめぐる議論が続いている。最終的な認可は経産相が担うが、こうした不祥事についても検証すべきだとの声が上がっている。

 西村氏は「定められた手続き審査ルールに従って、厳格かつ丁寧に審査を行っていきたい」と述べたが、不祥事が値上げ審査に及ぼす影響については「今後のスケジュールについて予断を持ってお答えすることは、現時点では差し控えたい」と述べるにとどめた。

 また、認可前には消費者庁との協議も必要となっている。河野太郎消費者相は同じ日の閣議後会見で「消費者からの信頼を損なっている状況なので、こうした不正事案が規制料金に与えてきた影響の検証を、しっかりやっていただきたい」と注文をつけた。

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