内閣府、性暴力防止の啓発用ポスター取りやめ 「作品が酷似」と指摘
内閣府は19日、今年度の「若年層の性暴力被害予防月間」の啓発用ポスターのイラストが、別の作者の作品と酷似していたとの指摘を受けたため使用を取りやめた、と発表した。すでに全国の警察署や駅などに配布していたものは、可能な限り回収するとしている。
ポスターは内閣府が「凸版印刷」(本社・東京)に発注し、1万5700枚作製した。14日、ポスターがイラストレーターのたなかみさきさんの作品に酷似しているとの指摘が外部から寄せられた。内閣府が凸版印刷に確認したところ、「制作過程でたなかさんの作品を参考とした事実があり、作品の類似性に関するチェックが不十分だった」との報告があったという。
内閣府はポスターや関連動画の使用を取りやめ、18日にたなかさん側に謝罪した。ポスターや動画作製の費用は約1100万円で、凸版印刷に返還請求が可能か検討する。内閣府男女共同参画局の担当者は「ポスターの制作過程は承知していなかった。指摘があるまで(酷似しているとは)気づかなかった」と話した。
若年層の性暴力被害予防月間は、被害の防止や被害の相談先の周知などを目的に2021年から始まった。毎年4月の1カ月間を対象としている。(鬼原民幸)
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