ロシアの外国人記者、強まる監視の目 「スパイだ」SNSに顔写真

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 ロシアでウクライナ侵攻後、外国人ジャーナリストへの監視が厳しくなり、取材活動への懸念が強まっている。3月には、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記者がスパイ容疑で拘束された。尾行や脅迫のほか、「スパイだ」とSNSに顔写真をさらされたジャーナリストもおり、国外に避難する動きも出ている。

 「我々はあなたの記事の論調が実に不満だ。あなたは個人的に安全の問題を抱えている」

 アイルランドのジャーナリスト、ジェイソン・コーコラン氏は昨年5月、SNSで差出人不明の脅迫文を受け取った。

 コーコラン氏は、英紙フィナンシャル・タイムズなど有力メディアで経験を積み、ロシアなど旧ソ連諸国を17年間取材してきたベテラン記者だ。「誰ですか」と尋ねたが、返事はなかった。その後、身の危険を感じてモスクワを離れたという。

「プーチンは外国人記者を駒に」

 コーコラン氏は今年3月、WSJのエバン・ゲルシュコビッチ氏が拘束されたことを受け、「衝撃的な逮捕が、私の戦争報道に対する昨年の警告を思い出させた」とツイッターに投稿。「私が脱出できたのはうれしいが、モスクワに残る西側ジャーナリストにも退去を勧める。プーチン(大統領)は彼らを駒に使うだろう」とつづった。

 SNSに顔写真をさらされた記者もいるようだ。調査報道で知られるロシアの独立系メディア「インサイダー」によると、独紙シュピーゲルの記者は昨年8月、取材のためにロシア中部エカテリンブルクに到着。その後、プーチン大統領の支持者であるTV司会者のウラジーミル・ソロビヨフ氏と関係があるとみられ、侵攻支持の情報を紹介するテレグラムチャンネル「ウラル・ライブ」にこんな投稿が現れた。

 「注意して、エカテリンブル…

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