「カタン」生みの親を悼む 複雑でいいファミリーゲーム、後進に影響
日本発のテレビゲームが世界を席巻していた1990年代後半、欧米から上陸した二つのアナログゲームがゲーム好きの心をとらえていた。一つはトレーディングカードゲーム(TCG)の始祖とされる米国発の「マジック:ザ・ギャザリング」。もう一つはドイツ発のボードゲーム「カタンの開拓者たち」(現在の日本語版は「カタン」)。運と戦略性と、遊び手同士の駆け引きがほどよく交じったゲーム性は、1人で遊ぶことの多かったテレビゲームとは違った楽しさに満ちていた。
先日、カタンの生みの親であるゲームデザイナー、クラウス・トイバーさんの訃報(ふほう)が伝えられた。4月1日、病のため70歳で死去。在日ドイツ大使館がツイートを発信し、米ニューヨーク・タイムズ紙などのメディアも追悼記事を配信した。
いずれも95年発売のカタンがシリーズ累計4千万個以上を売り上げた功績をたたえている。なぜこれほどに受け入れられたのだろう。
カタンは無人島の開発を競うゲームだ。資源を集め、建物などを作り、陣地を広げる過程で得られる勝利ポイントを、いち早く10点集めた人が勝者となる。
建物は木材や鉄鉱石といった…
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