「元長官の介入けしからぬ」 元最高裁判事ノートの公開、にじむ憤り

有料記事

森下裕介 河原田慎一 遠藤隆史
[PR]

 日本の司法に大きな業績を残した元最高裁判事の故・団藤重光(だんどうしげみつ)氏(1913~2012)が、最高裁での議論の内幕や思いを記した直筆ノートが見つかった。団藤氏の資料を保管・分析する龍谷大が19日、発表した。「介入は怪(け)しからぬ」といった記載もあった。

 公表されたのは、飛行機の騒音に苦しむ住民らが国を相手取り、夜間の飛行差し止めや損害賠償を求めた「大阪空港公害訴訟」について記されたノートなどの一部。住民側の訴えを認めた二審・大阪高裁判決(75年)に対する国の上告を受け、団藤氏が所属する最高裁第一小法廷が担当した。

 ノートの記載や同大への取材などによると、第一小法廷は二審判決を支持する方針を固めていたとみられる。78年5月に結審。秋にも判決を出す見通しだった。だが、国は同年7月、裁判官15人による大法廷に回付するよう求める上申書を出した。団藤氏は「いまになっての上申は好ましくない」「引きのばし作戦でもあろう」と受け止めていた。

 第一小法廷の岸上康夫裁判長は、上申書が出された翌日、当時の岡原昌男・最高裁長官の元へ相談に行ったという。ノートには、岸上氏から聞いた話として、その様子が記されていた。

長官室にかかってきた電話 その相手は…

 「たまたま村上(朝一)元長…

この記事は有料記事です。残り1156文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら