第33回リコールに揺れた町、今回も争点は過疎地医療 愛知県東栄町長選
伊藤智章 戸村登
医療縮小の是非が争点となった出直し町長選から1年8カ月、愛知県東栄町では再び町長選の候補者が選挙カーを走らせる。現職と新顔2人の三つどもえ。同じ日程の町議選は、定数8に新顔5人を含む10人が立候補した。人口2840人の過疎の町はリコール(解職請求)の騒動を経て、変化が現れているようだ。
「お互い、頑張りましょう」。18日朝、人通りのない狭い山道で、選挙カーがすれ違いざま、マイクの声が響いた。町長選で3人以上が争うのは、4人が出た2003年以来のことだ。
「年取ってよその町に入院するのは、えらいわ」「空気も水もええ町なんだけど」。町長選新顔の出発式を前に、90歳と85歳の女性が話していた。やはり医療問題が関心事だという。
東栄医療センター(旧東栄病院)が縮小移転した「東栄ひだまりプラザ」も、開所から約6カ月。福祉や子育て支援機能なども備えた複合施設として日々使われている。来所した47歳の男性は、人口がピークの3分の1に減った町で、以前の病院を維持できない事情も分かるといい、「今さら戻せっこない。しょうがない」。
集落ごとに「花祭(はなまつ…

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