小林製薬、社長が明かすヒットの秘密 会議も開発も「すごく真面目」
もうすぐ発売30年を迎える「熱さまシート」に、最近では温かい耳栓「ナイトミン 耳ほぐタイム」など、ヒットを生み出し続ける小林製薬(大阪市)。独特な商品名と独創的なアイデアは、どうやって生み出されるのか。小林章浩社長に、「たまに爆笑が起きるけど、すごく真面目」という会議の様子を聞きました。
小林製薬の商品といえば、「ブルーレット」や「アンメルツヨコヨコ」など、リズム感のよいネーミングが特徴的だ。
同社では、開発段階で100個以上の候補作をつくり、そこから5個にしぼって社長も出席する会議に提案する。
小林社長は「選考基準はわかりやすく、覚えやすいこと。名前だけで商品の特徴が伝わるように意識している」と話す。
広告で読まれる時の響きの良さから、4~5文字のものが多い。
全従業員が毎月アイデアを提出し、そこから新製品を生み出している。
総数は年間でおよそ4万件。日常生活で感じる困りごとなどがヒントになる。
「常に何かないかと探しながら生活すると、気づくことがある。環境が人をアイデアマンにする」と小林社長。自身も毎月、アイデアを提出しているという。
商品やネーミングはオリジナリティーあふれる一方で、その開発過程は「すごく真面目」(小林社長)だという。
商品名を考える会議では笑いが起きることもあるが、「多くの場合は普通に会議しています」。
市場の状況やリピート率を予想する調査を徹底し、売れないと判断すれば却下する。
新製品の発売のハードルも、近年厳しく設定し直したという。
小林社長は「真面目にやらないと、お客さんに支持される商品はつくれない」と話す。(聞き手・田中奏子 写真・林敏行)
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