「花の名所」で主役交代へ 開花早まり、祭り期間とずれ……苦肉の策

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石橋英昭
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 記録的な早咲きだったサクラの季節が過ぎ、これから初夏の花々が咲き続く。近年の開花時期の早まりに頭を悩ませるのが、各地の「花の名所」だ。花の王様ボタンで知られてきた、とある神社が考えた苦肉の策は――。

 宮城県岩沼市の金蛇水(かなへびすい)神社では、境内裏の約1ヘクタールを芍薬(シャクヤク)園にする準備を進めている。昨冬に移植を終え、本格開園を予定する2025年5月には、ピンクや紅色の大輪のシャクヤクが咲きそろうという。

 同神社は、約百種、1千株が咲き誇る牡丹(ボタン)園が有名だ。毎年5月15~21日の春の例大祭で、神前の献花にしようと、この時期に咲くボタンを選んで約80年前に造園したのが始まり。江戸時代から続く見事な藤棚とともに「花の神社」で知られ、お祭りに多くの参拝客を集めてきた。

 異変は、10年ほど前から始まった。

 ボタンもフジも開花がどんど…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2023年4月26日8時30分 投稿
    【視点】

    晩春から初夏の金蛇水神社では、藤と躑躅、牡丹に加えて芍薬も見られるようになると。 日本の社会福祉史に関する文献を読むと、必ずといってよいほど寺社が出てくる。それは、歴史的に寺社が地域の福祉や教育、また文化活動の場として大きな役割を果たして

    …続きを読む