記録的な早咲きだったサクラの季節が過ぎ、これから初夏の花々が咲き続く。近年の開花時期の早まりに頭を悩ませるのが、各地の「花の名所」だ。花の王様ボタンで知られてきた、とある神社が考えた苦肉の策は――。
宮城県岩沼市の金蛇水(かなへびすい)神社では、境内裏の約1ヘクタールを芍薬(シャクヤク)園にする準備を進めている。昨冬に移植を終え、本格開園を予定する2025年5月には、ピンクや紅色の大輪のシャクヤクが咲きそろうという。
同神社は、約百種、1千株が咲き誇る牡丹(ボタン)園が有名だ。毎年5月15~21日の春の例大祭で、神前の献花にしようと、この時期に咲くボタンを選んで約80年前に造園したのが始まり。江戸時代から続く見事な藤棚とともに「花の神社」で知られ、お祭りに多くの参拝客を集めてきた。
異変は、10年ほど前から始まった。
ボタンもフジも開花がどんど…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら
- 【視点】
晩春から初夏の金蛇水神社では、藤と躑躅、牡丹に加えて芍薬も見られるようになると。 日本の社会福祉史に関する文献を読むと、必ずといってよいほど寺社が出てくる。それは、歴史的に寺社が地域の福祉や教育、また文化活動の場として大きな役割を果たして
…続きを読む