日米韓協力「安全保障で完全に理にかなう」 元駐韓米国大使の訴え
ワシントン=牧野愛博
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が24日から訪米し、バイデン米大統領と会談します。今年は米韓同盟70周年です。2008年から3年間、駐韓米国大使を務めたキャサリン・スティーブンス氏は、経済安全保障を含めた新しい同盟関係を維持するために、日米韓協力の重要性を強調します。
――米国はなぜ、韓国との同盟関係を70年間維持してきたのですか。
米韓相互防衛条約を1953年に結んだ当時、この同盟に対する米国の期待は必ずしも高くありませんでした。当時の米政府高官は条約について、「李承晩(イスンマン)大統領を朝鮮戦争の休戦に同意させるために支払った代償だった」と語っていました。
なぜ、米軍は韓国にとどまったのか
率直に言って、日本の安全保障のためにも韓国が重要だったため、米軍は韓国にとどまったのです。米国は冷戦時代、韓国の再建のために必要な経済支援を行いました。
そして今、私たちは経済安全保障にも注目しています。経済、環境、地政学など複雑な課題を乗り越えるために、私たちはお互いを必要としています。
――米国は最先端半導体などの供給網再編を呼びかけていますが、韓国のサムスン電子は中国に半導体工場を持っていますし、日本も韓国も中国との貿易を無視できません。
サムスン電子が中国にある工…