EU、国境炭素税の導入承認 10月からCO2排出量の報告義務

ブリュッセル=玉川透
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 欧州連合(EU)の加盟国は25日、環境対策が緩い国からの輸入品に事実上の税を課す「炭素国境調整措置(国境炭素税)」の導入を承認した。2026年の本格導入に向け、今年10月から移行期間が始まり、EUに輸出する企業は製品の二酸化炭素(CO2)排出量を報告する義務を負う。

 国境炭素税は、CO2排出に課金して削減を促す「カーボンプライシング」と呼ばれる手法の一つ。当面対象となるのは、製造過程で排出量が多い鉄鋼、アルミニウム、セメント、電力、肥料、水素などで、品目は今後さらに拡大する方針だ。EUと同レベルの規制がある国や地域からの輸入には適用しない。

 対象となる企業にとっては、税を価格に転嫁できなければ負担増になる可能性がある。日本からEUへの対象製品の輸出は規模が小さく、日本企業への影響は限定的と見られるが、品目が拡大すれば将来的に対応を迫られる可能性がある。

 国境炭素税の導入をめぐっては、EUの行政執行機関である欧州委員会が21年7月、世界に先駆けた取り組みとして導入方針を発表。昨年12月に加盟国と欧州議会が基本合意した。(ブリュッセル=玉川透)

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