遺体空輸なら150万円「支払えない」 ムスリムたちの切実な願い

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石橋英昭
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 日本で暮らすイスラム教徒(ムスリム)にとって、お墓の問題は切実だ。宗教上の理由で火葬はできず、土葬が認められる墓地は国内で数が限られる。まだ1カ所もない東北地方のムスリムたちが、行政に対応を求めて声を上げている。

 今年1月2日夜、仙台市内のインド料理店で、コックのインド人男性が心臓発作を起こした。接客中、急に苦しそうに座り込み、搬送先で死亡が確認された。男性はムスリムだった。

 店を経営するのは、バングラデシュ人のマズンデル・モファザル・カリムさん(66)。火葬にせず遺体をインドまで空輸すると約150万円かかる。連絡をとったインドの遺族は「支払えない」という。

 マズンデルさんは、土葬を受…

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    塚田穂高
    (上越教育大学大学院准教授=宗教社会学)
    2023年4月29日22時9分 投稿
    【解説】

    ・・・ムスリムの土葬墓地、「市民が必要なもの」として対応を 土葬墓地の不足に悩む、日本で暮らすムスリム(イスラム教徒)たちの切実な話だ。日本で暮らすムスリムもすでに20数万人、日本人ムスリムも数万人いる。約500人に1人がムスリムと言

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