「もし、捕虜交換でロシアに戻れれば幸せだ。だが前線には絶対に戻りたくはない」
ウクライナ東部ドネツク州の激戦地ソレダルで、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員として戦い、ウクライナ軍の捕虜となった元受刑者の男性(30)はこうこぼした。
【連載】監獄から戦場へ ワグネル「囚人戦闘員」たちの証言
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員が、ウクライナの収容施設で捕虜となっています。侵攻の激戦地に投入されている戦闘員の実態とは――。捕虜になっている5人が朝日新聞の取材に応じました。
男性は取材に「ブミャーチ」とニックネームを名乗った。14歳でパトカーを盗み、これまで何度も刑務所に入った。男性はロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島の出身だが、ロシア国籍を得ているという。
犯罪歴があるためにまともな仕事に就けず、犯罪を繰り返した。「刑務所暮らしに飽き飽きしていた」。男性は上半身全体に彫られた入れ墨を記者に見せてきた。そこには、いくつものカギ十字があった。
「刑務所への不服従の証しだ。(ドイツの)ナチスは関係ない」と笑った。
空き巣をしてロシア南部ロストフの刑務所に服役中だった昨年8月と12月、ワグネルの担当者2人が2回、勧誘に来た。
6カ月間ウクライナで戦えば犯罪歴が消え、給与ももらえるというものだ。
戦場の様子を「身の毛のよだつ出来事だった」と語る男性。一方で、戦争が自分に変化をもたらしたとも語ります。
「プーチン大統領はチャンスをくれた」
即座に同意した。だが、8月…
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