戦場で半年生き残れば、受刑者に自由を与える――。
映画や漫画のストーリーのような信じがたい手段を使ってロシアは戦争を続けている。
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏はウクライナ東部での「戦果」を誇り、ロシアでの権力争いの道具にもなっている。プリゴジン氏は「おそらく今、世界で存在する最も熟練した軍隊だ」と強弁する。
ネット上にはワグネルの戦闘員による残虐な映像があふれ、恐怖を武器にしているかのように思えた。非道なモンスターのようなイメージが私の中で膨らむ一方、実際の戦闘員の素性や肉声はほとんど伝えられてこなかった。
どのような人が戦闘員として戦っているのか――。
【連載】監獄から戦場へ ワグネル「囚人戦闘員」たちの証言
ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員が、ウクライナの収容施設で捕虜となっています。侵攻の激戦地に投入されている戦闘員の実態とは――。捕虜になっている5人が朝日新聞の取材に応じました。
実態を知るために証言を聞くことが必要だ。戦場やロシア国内でのワグネル戦闘員の取材は極めて困難だ。ウクライナで捕虜となった戦闘員へのアクセスが最も実現に近い手段だった。
ウクライナ保安庁からワグネル戦闘員の捕虜に話が聞けるとの連絡があったのは、3月下旬だった。
そして、インタビューに応じた戦闘員5人が語った内容は、プリゴジン氏の主張とはかけ離れていた。
5人の戦闘員が記者に語った、入隊の理由や戦場の様子。そこからは、ロシア社会のひずみや弱みにつけ込んだ実態も見えてきました。
想像とはまるで違う男たち
許可を受けてすぐに、捕虜が…
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