第2回漠然とした怒りの先に 夫婦でたどり着いた新しい「出版社」のかたち
伊藤良渓
夫は元美容師で、妻はデザイナー。そんな肩書を持つ夫婦が、神奈川県の三浦半島を拠点に、小さな出版社を営んでいる。社名は「アタシ社」。わたし、ではなく、アタシ。この方が、より「素の自分」で、世界と対峙(たいじ)できる気がするからだ。
ミネシンゴさん(39)と三根かよこさん(36)の夫婦がアタシ社を立ち上げて8年になる。それぞれが編集長として、特色ある雑誌を出版。ほかにも、地元の広報紙やタウン誌の取材・記事執筆を行ってきた。
出版社を設立した理由を、かよこさんは「本当はこうだったらいいのにという理想を、打ち出す集団になりたいと思った」。2人の原点にあるのは、「漠然とした怒り」だった。
口癖は「業界を変えたい」 でも…
シンゴさんの口癖は「美容業…
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