難民認定の申請中でも外国人の送還を可能にする入管難民法改正案は、自民党と立憲民主党が軸となった修正協議が決裂し、日本維新の会が求めた修正が反映され、衆院法務委員会で28日可決された。政府提出法案は修正されずに成立することが多いが、なぜ修正協議が始まり、実らなかったのだろうか。
改正案は、不法残留などで強制退去処分が出ても帰国を拒む外国人を対象に、難民申請中は一律に送還を停止してきた規定を見直し、3回目以降の申請者らを送還可能にする内容。自民、公明、立憲、維新の4党は21日から断続的に修正協議を行った。維新は、国際情勢に関する情報収集の充実や難民調査官の人材育成などを求め、法案に反映されたため賛成に回った。
立憲は、公正中立に難民認定を審査する第三者機関の設置や、子どもの保護などを求めた。与党側は、第三者機関の検討を付則に明記したり、人道上の理由で「在留特別許可」の付与を検討する際は「児童の利益」を考慮するよう条文に明記したりする修正案を提示。立憲は「第三者機関は付則では実現しない」などと採決では反対に回り、こうした修正は削除された。
はじめに修正協議に動いたの…
- 【視点】
政党の壁を越えて法案修正の実現に取り組む個々の国会議員の努力が、最後は各党の国対政治に回収されて水の泡になってしまう現状。残念でなりません。 当初立憲民主党が「難民認定のための第三者機関の設置」と「子どもの保護」を修正要求の本丸に位置
- 【視点】
大変興味深い現象です。 やはり、統一地方選と衆参5補選の結果が影響しているのでしょうか。躍進した日本維新の会が政権との修正合意に向かい、退潮した立憲民主党は存在感を示すため反対に回る。ただ、野党共闘が崩れた一点に限れば、政権の思惑通りと言