米ファーストリパブリック銀、経営不安再び NY市場で株価4割下落
米中堅銀行ファーストリパブリック・バンクが経営不安に陥っている。大量の預金流出で先行きへの懸念が高まり、28日のニューヨーク株式市場では株価が4割超も下落。複数の米メディアは、同行が近く米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれる見込みだと報じた。
ファースト銀は昨年末時点の資産規模が2126億ドル(約28・9兆円)と全米14位。管理下に置かれれば2008年のリーマン・ショック以降、銀行では米国で最大の経営破綻(はたん)となる。
同行は富裕層向けビジネスを手がけ、預金保険の保護上限(25万ドル)を超える額を預ける顧客が多い。そのため、3月の米2銀行の破綻をきっかけに経営不安が浮上。預金を引き出す動きが加速した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで保有債券の価格が下がり、含み損を抱えていたことも不安要素となった。
その後、いったん経営不安は落ち着いていたが、今月24日に発表した今年1~3月期決算で、預金が3月末時点で1045億ドル(約14・2兆円)と3カ月前から約41%減っていたことが判明。預金の減少を補うため、預金より高い金利でFRBなどから借り入れを増やさざるを得なくなっており、収益性への懸念が高まった。(ニューヨーク=真海喬生)
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