それって本当にごみ? 自治体が知恵を絞るリサイクル&ごみ減量作戦
2030 SDGsで変える
混ぜたらごみ、分けたら資源――。環境省によると全国のリサイクル率は横ばいです。資源の有効活用はSDGs(持続可能な開発目標)が目指すまちづくりに欠かせません。「燃やすしかないごみ」の導入や、生ごみを起点に発電と肥料づくりを進める自治体を訪ねました。(外尾誠、永井啓子)
燃やすしかない? 埋め立てるしかない?
京都府亀岡市は今年度から指定ごみ袋の名前を切り替える。「燃やすごみ」は「燃やすしかないごみ」に、「埋立てごみ」は「埋立てるしかないごみ」に。「それって本当にごみ?」という一文も新たに添えた。
同市は「環境先進都市」を掲げ、全国で初めてプラスチック製レジ袋の提供禁止を条例化した。だが、一般ごみのリサイクル率は2021年度で15・0%にとどまり、全国平均の19・9%を下回る。市資源循環推進課の担当者は「捨てる前に立ち止まって考えてもらうことで、リサイクルを進めて減量を図りたい」と狙いを話す。
分別も「紙類」「草・木類」、フライパンなどの「小型金属類」を加えて18区分に。紙類は自治会などで集団回収しているが、未加入者が増えているため収集対象に加えた。昨年4月施行の「プラスチック資源循環促進法」に基づき、埋め立てごみに分類していたプラ製品もプラ容器包装とともに資源ごみとして回収する。
プール5杯分の埋め立てごみ
新たな態勢のもとリサイクル率を30%に伸ばすことが目標だ。さらに生ごみや紙おむつの再資源化で10年後には50%を目指す。
ごみの減量は急務だ。97年にできた焼却施設の耐用年数はあと8年。埋め立て処分場も7割が埋まった。将来、焼却施設を新設する場合、近隣市町との共同化を検討するという。住民説明会では、年間の可燃ごみの量は市内で収穫される米の2倍、埋め立てごみは25メートルプール5杯分に相当するとスライドで示し、協力を求めた。
「分別した方がお得」作戦 福岡・柳川市
「燃やすしかないごみ」のさきがけは、福岡県柳川市だ。生活環境課主事の古賀俊也さん(31)は「名前が注目されがちだが、鍵は価格差と習慣化」と説明する。
21年からの名称変更を機に…
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