東京・杉並区議会が「女性過半数」に、動いた岸本聡子区長の作戦

有料記事統一地方選挙2023東京インサイド

松田果穂
[PR]

 23日に投票された全国の315区市議選のうち、千葉県白井市兵庫県宝塚市とともに「女性過半数」となったのが東京都杉並区だった。女性議員が約1・7倍に急増した背景には、昨年初当選した区長が仕掛けた作戦があった。

候補者の隣で区長が熱弁

 「女性の議員さんをもう一人、杉並区議会に送っていただきたい」。21日夜、区内のJR高円寺駅前で、岸本聡子区長(48)が新顔女性候補の横に立って訴えた。1週間の選挙期間中、公務時間外に自転車や電車で駆け付け、応援する候補への支持を呼びかけた。

 岸本氏は昨年6月、立憲、共産、れいわ、社民などの推薦を受けて区長選に立候補し、4選をめざした元都議の現職らを破って当選。直前の帰国まで長年欧州に住み、国際政策シンクタンク研究員として活動した経歴や、立候補表明からわずか約2カ月で勝利した戦いぶりが注目された。

1月の朝日新聞の調査では、女性議員の割合は多くても「5割」にとどまり、「過半数」の議会はありませんでした。その壁を越えた今回の杉並区議選では、岸本聡子区長が連日、選挙応援に駆け回っていました。作戦の様子と、その理由、寄せられた疑問点をくわしく紹介します。

ここから続き

 「環境保全」「児童や高齢者…

この記事は有料記事です。残り1296文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    サンキュータツオ
    (漫才師・日本語学者)
    2023年5月2日11時30分 投稿
    【視点】

    議員の性別というのはあくまで結果であって、今回の選挙では区政が生活に影響する「当事者」に近い候補が当選したように思います。保育士の方や子育て中の母親、カフェ店主といった人々はまさに生活者の代表です。岸本区長は、それだけ選挙や政治を身近なもの

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2023年5月2日11時30分 投稿
    【視点】

    私の職場は世田谷区と杉並区の境界にありますが、最寄りの駅で見かけた岸本さん、世田谷区民にも投票呼びかけていらっしゃいました。#民主主義はおもしろい、#選挙をもっと楽しもう、こんなハッシュタグでTwitterでも、ストリートでも、呼びかけてお

    …続きを読む
東京インサイド

東京インサイド

東京の気になるニュースや街の話題が満載。あなたの「!」「?」に答えます。[もっと見る]