北朝鮮のミサイル発射、今回は失敗でも軍事衛星保有なら新たな脅威

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編集委員・佐藤武嗣
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 北朝鮮が日本側に「人工衛星」打ち上げとして通告した、31日のロケットの発射は失敗した。ただ北朝鮮は、宇宙空間から日米韓などの軍事行動を監視・追跡する軍事偵察衛星の保有を引き続き追求する構えだ。本格運用に成功すれば、ミサイル攻撃の精度が高まるなど新たな脅威となる。

 北朝鮮による衛星打ち上げは、2016年2月以来。前回の発射では防衛省が、飛翔(ひしょう)体は地球周回軌道に投入されたものの、人工衛星の機能は果たしていないと分析していた。

 北朝鮮はその後、打ち上げ目標を「軍事偵察衛星」と明確化。昨年12月に「偵察衛星開発のための最終段階の重要試験を行った」とし、「23年4月までに軍事偵察衛星1号機の準備を終える」と宣言するなど、偵察衛星保有の動きを本格化させていた。

 今回は失敗したものの、北朝鮮は引き続き、偵察衛星の打ち上げを試みる方針を示している。

 北朝鮮が偵察衛星保有をめざす背景には、相手国の動向を監視・追跡することに加え、保有するミサイルだけでは攻撃目標を正確に捉えることは難しいことから、偵察衛星により精密攻撃能力を補って抑止力を強化する狙いがあるとみられる。

 北朝鮮は今年3月に米ワシン…

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