北朝鮮はなぜ衛星にこだわるのか 失敗後「早期に2回目」発射を予告
牧野愛博
北朝鮮の朝鮮中央通信は31日、軍事偵察衛星をロケットに搭載して発射したが、1段目を分離した後に推進力を喪失し、黄海に墜落したと報じた。早期に2回目の発射を行うとしている。北朝鮮が開発を急ぐ背景には、国家の威信とともに災害対策などにも転用したい思惑があるとみられる。
朝鮮中央通信によれば、朝鮮労働党中央軍事委員会の李炳哲(リビョンチョル)副委員長は29日、「衛星と新たな実験を予定している多様な偵察手段は、米国と追従武力の危険な軍事行動をリアルタイムで追跡、監視、判別して事前抑止および対処し、国家武力の軍事的準備態勢の強化に必須不可欠なものである」と強調した。
北朝鮮はこれまで弾道ミサイルに搭載したカメラから地球を撮影した写真を公開しているが、その解像度は米民間企業などに劣っている。米ミドルベリー国際大学モントレー校ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのデビッド・シュマーラー上級研究員によると、北朝鮮が公開した写真の解像度は3~10メートル程度とみられる。航空機や車両の数を把握するのが限界とされる。
北朝鮮の偵察衛星「ゲームチェンジャーにならない」
これに対し、米プラネット・…
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