跨線橋に並ぶ靴と杖「何してる!」 日課の散歩中、とっさに動いた体
鈴木剛志
テレビドラマで見るような光景だった。きちんとそろえられた靴と、脇に添えられた杖。そのそばで、高齢の男性が柵の手すりにかじりつき、下をのぞき込んでいる。長年の職業柄か、反射的に体が動いていた。
鈴木信夫さん(73)=新潟市秋葉区=は、その朝もウォーキングに出かけた。10年ほど前にがんで肺の一部を切除してから、体力を取り戻すために続けている日課だ。
午前7時ごろに出発し、2時間ほどかけて約7キロを歩く。折り返し地点は「夕映えの跨線橋(こせんきょう)」。JR信越線と羽越線をまたぐ国道460号から途中で脇の階段を下り、8時10分ごろに通る貨物列車を眺めるのを楽しみにしている。
この日もいつもどおり、国道沿いの歩道を歩いていた。階段まであと少し。下りたら一息つこう――。
「じいちゃん、家族は?」
そのときだった。
踊り場から数段下に並べて置…
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