コーチンやTKGの実写キーホルダー NPO職員の強すぎる地元愛

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嶋田圭一郎
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 観光地といえば、ついつい手が出るお土産があるもの。それにしても、地鶏と卵かけごはん(TKG)のキーホルダーなんて……。

 愛知県岩倉市役所。「そんなもの必要ある? 売れるの??」。木村さや香さん(36)が手にしたものを見て、上司の金井透さん(62)は思わず声を上げた。

 試作品のキーホルダー。引き締まった顔つきの地鶏「名古屋コーチン」や、市を挙げてPRする卵かけごはん「いわくらTKG」の写真を貼った小さなアクリル板が、ぶら下がっている。キャラクター化もせず、リアルだった。

 木村さんはNPO法人「いわくら観光振興会」の職員。地域の魅力を発信するのが仕事だ。

 小学2年生から市内で暮らし、「いわくら愛」は強い。めげずに、金井さんを説き伏せようと、自費で試作を重ねた。

 使った写真は、地元のすしや菓子、マンホールのふた、鶏肉のすき焼き「ひきずり鍋」に、なんと鶏ガラまで。

 ラーメン店では、好きなチャーハンをスマホで撮影。スタンプカードを「勝手に」作り、10食分、10個のスタンプを集め、店にチャーハン版のキーホルダーをプレゼントした。

 「こうして私は笑顔と達成感だけもらうんです」

 リアルにこだわったのは、観光地で人気の食品サンプルにあやかってのこと。キーホルダーを見た人が、つい買ってしまう二等辺三角形の旗「ペナント」や、娘が夢中になるカプセルトイ(ガチャガチャ)にも似た高揚感を抱いてくれれば、と期待する。

 試作品をおもしろがってくれ…

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