スパコンが解明した大谷の魔球スイーパーの正体 カギは53度の傾き

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石倉徹也
【動画】大谷投手のスイーパーが「浮きながら曲がる」謎を解明=東京工業大・青木教授提供
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 大谷翔平投手の決め球「スイーパー」が不思議な変化をするのは、打者を惑わせる揚力が働いているからだ――。

 東京工業大や九州大などのチームがスーパーコンピューターを使い、大谷投手が投げる「魔球」の仕組みの解明に乗り出した。打者から見て、浮き上がりながら大きく曲がる謎のカギは「回転軸の傾き」だという。

 スイーパーはスライダーの一種。スイープは英語で「ほうきで掃く」という意味で、ホームベースを掃くように真横に大きく曲がる。

 米国と対戦したワールド・ベースボール・クラシックWBC)決勝で、最後の打者トラウトから大谷投手が三振を奪ったのもスイーパーだった。

 東工大の青木尊之教授(流体力学)らは、大谷投手のスイーパーを見て、不思議に思った。

シミュレーションで再現した軌道、回転数2590回で空気の流れを解析

 スイーパーは横回転しているので、横に曲がりながら沈むのが一般的だ。だが大谷投手のスイーパーは打者から見て、「曲がりながら浮き上がる」という特徴がある。

 自然落下より落ちないので、打者は軌道を見誤り、球の下を振ってしまう。でも、縦回転(バックスピン)をしていないのに、浮き上がるのはなぜだろう。

 球が横に曲がるのは、球の回…

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