大谷翔平投手の決め球「スイーパー」が不思議な変化をするのは、打者を惑わせる揚力が働いているからだ――。
東京工業大や九州大などのチームがスーパーコンピューターを使い、大谷投手が投げる「魔球」の仕組みの解明に乗り出した。打者から見て、浮き上がりながら大きく曲がる謎のカギは「回転軸の傾き」だという。
スイーパーはスライダーの一種。スイープは英語で「ほうきで掃く」という意味で、ホームベースを掃くように真横に大きく曲がる。
米国と対戦したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で、最後の打者トラウトから大谷投手が三振を奪ったのもスイーパーだった。
東工大の青木尊之教授(流体力学)らは、大谷投手のスイーパーを見て、不思議に思った。
シミュレーションで再現した軌道、回転数2590回で空気の流れを解析
スイーパーは横回転しているので、横に曲がりながら沈むのが一般的だ。だが大谷投手のスイーパーは打者から見て、「曲がりながら浮き上がる」という特徴がある。
自然落下より落ちないので、打者は軌道を見誤り、球の下を振ってしまう。でも、縦回転(バックスピン)をしていないのに、浮き上がるのはなぜだろう。
球が横に曲がるのは、球の回…
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