門主の意中の人は…「玉手箱」の中身にどよめき 本願寺派の総長選

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西田健作
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 信者数が約780万人とされる浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)は31日、実務トップとなる新しい総長を選んだ。宗祖・親鸞(1173~1262)の血筋を引く門主が候補者を指名したうえで行う総長選では、意外な候補者が明らかになり、僧侶らによる選挙は2日間にわたった。その過程を追った。

 30日午前10時。京都市下京区の西本願寺にある議場に全国から宗会議員が集まり、臨時宗会が開会した。宗門の議会にあたる宗会の議員定数は78人。開会式では、「なんまんだぶ、なんまんだぶ」と念仏を唱える勤行で始まり、大谷光淳門主が教示した。続く本会議は大谷門主が退場してから始まった。

 日本の仏教で最大規模となる浄土真宗には主に10派があり、浄土真宗本願寺派もその一つ。西本願寺が本山で、親鸞の子孫にあたる大谷家が門主を世襲している。徳川家康が創建を後押ししたといわれる東本願寺(同)を本山とする真宗大谷派もある。

 議員が注目する「玉手箱」が園城義孝(そのき・ぎこう)議長の下に運ばれたのは、午前11時半ごろだ。門主が選んだ総長候補者の氏名を記した紙が入った黒い箱のことで、玉手箱は通称だ。候補者は宗会議員であることが多いが、実際に書かれている内容は極秘とされ、議場の人々も開けてみるまで分からないという。

 園城議長が玉手箱のふたを開け、候補者として記された2人の氏名を読み上げると、会場にはどよめきが起こった。

 1人は、実務ナンバー2の筆…

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