沿線の採れたて野菜、電車で運びミナミの改札で売る 南海電鉄の挑戦
瀬戸口和秀
採れたての野菜を電車で運んで、ターミナル駅で販売する――。南海電鉄が5月中旬まで、そんな実証実験に取り組んだ。沿線の農家のための試みはリピーター客がつくほど好評に終わり、担当者は今後も実施を目指したいとしている。
沿線地域の活性化を目指して、自治体などとともに社会課題に取り組む南海電鉄の活動の一環。同社によると、沿線は農業が盛んで、新鮮な野菜が手に入る農協(JA)の直売所が多くある。ただ、担当者がJA側に話を聞くと、農家にとって日々の出荷数の調整が難しく、売り切れて販売機会を失ったり、売れ残った野菜を回収にいく手間がかかったりする課題があることを知った。
南海電鉄は新たな販路を提供しようと、直売所で販売する野菜や加工品の一部を買い取って電車で難波駅まで運び、改札近くに特設店舗を設けて販売することにした。実証実験を担当した同社の木谷浩輔さん(30)は「輸送力を使って課題を解決できないかと考えた」と振り返る。
野菜を積み込む駅は、直売所…