NHKが業務に認められていない衛星放送(BS)番組のインターネット配信に関わる費用約9億円を今年度予算に計上していた問題で、NHKは、2024年度からの配信のための検討チームを昨年7月に設置し、その議論を踏まえて支出を決めたことが、複数のNHK関係者への取材でわかった。ただ、NHKは今回の問題が発覚するまで、検討チームの存在をNHKの経営をチェックする経営委員会には報告しなかったという。
関係者によると、検討チームは、経営企画局やメディア戦略本部、技術局の職員らで構成する「BS配信検討タスクフォース(TF)」で、昨年7月に発足。前田晃伸前会長の指示で前経営企画担当専務理事の伊藤浩氏が主導して作ったという。
TFは、NHKのネット業務のあり方を話し合う総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」が今年7月ごろにNHKのネット業務の必須化を認める見解を出すと想定。24年4月のサービス開始を計画し、技術面や費用などを検討したという。ここでの議論を元に昨年12月、前田氏と一部の理事ら計9人がBS番組の「配信対応整備」に関して約9億円を調達する内容の稟議(りんぎ)書を承認し、23年度予算に費用が計上された。
ただ、こうした経緯は、理事…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら