「太平洋戦争中の米軍になりたい」 米専門家が分析する中国軍の目標

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ワシントン=牧野愛博
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 中国が80年前の日本軍の後を追うように、太平洋諸国に進出しています。米シンクタンクの戦略・予算評価センター(CSBA)上級研究員で、中国の軍事情勢に詳しいトシ・ヨシハラ氏は「中国軍太平洋戦争当時の米軍になりたがっている」と語ります。

 ――最近、中国と旧日本軍の動きを比較したリポートを発表しました。

 中国軍の実力が米軍に肉薄するにつれ、中国は、過去の大国間戦争を学ぶ必要があると考えたのでしょう。米海軍よりも日本周辺では優勢と考えられた旧日本海軍のように、中国は米国と対等な立場になりつつあります。太平洋戦争は広い地域を舞台にしているため、良いケーススタディーだと考えたと思います。21世紀の台湾を巡る紛争は、日本が米国と戦った西太平洋やその先の空間を巻き込む可能性があります。

中国が太平洋戦争で注目する三つの分野とは

 中国が注目している分野の一つは、陸上の空軍力の役割です。太平洋戦争で、ミッドウェー海戦、ガダルカナルの戦い、沖縄戦をみると、陸上戦力、空軍力、陸上空軍力が重要な役割を果たしました。中国は本土から航空機やミサイルを使い、在日米軍基地や台湾の重要インフラ施設、海上で移動する標的を長距離攻撃できます。

 二つ目は、物流の重要性です…

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