「追いかけてきた選手さんに…」 歌手・河野万里奈さんが始球式で涙

大坂尚子
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 歌手の河野万里奈さんが2日、阪神タイガース中日ドラゴンズ戦の始球式に登場した。

 先発の阪神・青柳晃洋に一礼し、マウンドへ。振りかぶって投げると、球はノーバウンドで捕手の梅野隆太郎のミットに収まった。

 「小さい時から歌手になって、甲子園で始球式をしたい、できればストライクを投げたいと夢見ていた。想像していたことが実現して良かった」

 マウンドを降りると、ベンチで見守っていた阪神の選手たちから拍手があったといい、「今まで大好きで、追いかけてきた選手さんにそうやってもらって、うれしくて涙が出ました」。引き揚げる通路で涙が止まらなくなった。

 家族も野球やソフトボール経験のある野球一家で、自身もソフトボール経験者。子どもの頃から兵庫県尼崎市の祖母の家に帰省した際に甲子園に行き、高校野球やプロ野球を見て、野球にはまっていったという。

 阪神の中継ぎ左腕・岩崎優が、2019年のシーズン途中から登場曲として自身の曲「アイキャントライ」を使用していることもあり、阪神ファンにはおなじみの歌手だ。豊富な野球知識を生かし、近年は野球関係の仕事も増えている。

 始球式に向けて、1日おきに投球練習をしてきた。心配だったのは、球が左打者の内角へいってしまうことだった。

 プロ野球中継のゲストで一緒になった元千葉ロッテマリーンズ内竜也さんからは「(軸足の)右足、もう少し遅めに離せるといいかもです。足と同時に体が流れてしまっているので」などと助言を受けたという。

 試合前には、球場の外周特設ステージでライブもおこなった。背番号「13」の岩崎のユニホームを着て、新曲「ドラフト」と「アイキャントライ」の2曲を力強く熱唱した。

 甲子園で自分の歌を響かせたい。甲子園で始球式をしたい。

 「あの神聖な地で、そうなれるほど、一人前の歌手になりたい」

 歌手として紅白歌合戦に出ることよりもかなえたい夢だった。

 岩崎が登場曲に使用したことで、一つは間接的にかなった。そしてこの日、実際に自分がマウンドに立ち、始球式の夢もかなえた。(大坂尚子)

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