裏山が崩れ、岩が民家に 男性「まさか山が抜けるなんて」

山田健悟
[PR]

 5日の地震で震度6強を観測した石川県珠洲市正院町岡田に父母と妻の4人で暮らす50代男性の家は、自宅裏の山が崩れ、岩などが自宅になだれ込み、屋根や天井の一部が崩れた。男性によると、地震発生時に家の台所にいた80代の母は倒れた棚などの下敷きとなり、ドクターヘリで搬送された。

 午後2時40分ごろ、男性は地鳴りのような嫌な音を聞いた。2020年12月以降、地震が繰り返し起きていたという同地区では「慣れてしまった音」だった。直後、轟音(ごうおん)と同時に立っていられないような強い揺れが家を襲った。

 家中のものが落ちる音やものが崩れるような音を聞きながら、男性は妻と揺れがやむのを待った。十数秒後、揺れがおさまり、台所にいた母の元へ急いだ。

 室内はいたるところで天井や屋根が崩れ落ちていた。ガラス戸を突き破った岩が室内に転がり込んだようだった。台所の方でうめき声が聞こえ、中をのぞき込むと、棚に押しつぶされた母がいたという。

 消防隊に救助された母は意識もあったが、ドクターヘリで搬送された。自宅は倒壊する危険があるため、男性らは一時親戚宅に避難するという。布団などの家財道具を車に詰め込んだ男性は、こう振り返った。「まさか、裏山が抜けるなんて思わなかった。地震には慣れてしまっていたが、やっぱり怖い」(山田健悟)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら