「絶対に必要」と和歌山県知事 外部監査受け、県の事業評価再開へ
伊藤秀樹
外部の専門家が和歌山県の事業をチェックする2022年度の「包括外部監査」の結果がまとまり、県に報告書が提出された。効率性や経済性の観点からの意見が16件あり、県が廃止していた「事業評価」の必要性が示された。
包括外部監査は、地方自治法にもとづく制度で毎年度、県と契約した公認会計士や弁護士らが担う。22年度は農業振興にかかわる事業を調べた。
今回の報告書で、意見があった事業評価について、県は予算審議の作業内容と重なる部分があるとして17年度に全庁的に廃止していた。報告書は、廃止に一定の理解を示しつつも、「事業評価の本来趣旨がないがしろにされているとすれば、全面的に肯定し得るものではない」とした。事業の成果などについて県民への説明責任が果たされているとは言えないとした。
具体的には、ミカンやウメなどの生産力を増やすために県が取り組む補助事業が挙げられた。施設整備の実績は示されているものの、その実績がどの程度、生産量増加などの目標に寄与したかの評価が明確ではないという。さらに事業の成果を定義して指標を設定し、事業内容に応じて補助期間にとらわれずに評価する必要があるとされた。
監査の結果を受け、岸本周平知事は4月25日の会見で、23年度予算に伴う事業から事業評価を再開する意向を明らかにした。岸本氏は「単に書類仕事を増やすような評価はつまらないからやめましょう、ということで一度おやめになったのかもしれないが、きちんとした評価は絶対に必要だ」と話した。(伊藤秀樹)
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