主要7カ国首脳会議(G7サミット)が5月19日から広島で開かれます。被爆地での開催を、地元の人々はどう見ているのでしょうか。広島大学法学部長の永山博之教授は「現実を冷静に受け入れている」と語る一方、戦後80年近くが経ち、核廃絶への取り組みも曲がり角を迎えていると指摘します。
――政府もメディアも被爆地での開催を強く意識しています。
実は、広島市民の考えは日本全体の世論とそれほど大きく変わりません。NHKが2015年6月、広島、長崎、全国を対象に行った「原爆意識調査」によれば、原爆投下について「今でも許せない」と「やむを得なかった」と答えた回答者の割合は、広島市で43%対44%、全国では49%対40%です。
「被爆地の意見」というのは、メディアや一部の団体の考えが反映される傾向があり、広島市民の意見が、全国とは異なっているとは言えないのです。
――広島市教育委員会が今年、小学校学習教材で使ってきた、漫画「はだしのゲン」を別の資料に差し替えることを決めました。
「はだしのゲン」はなぜ、学習教材から外れたのか
現代の子供たちの目に、原爆…
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