SNS上を席巻する偽情報は、世界各地で様々な問題を引き起こし、その深刻さの度合いは増す一方だ。ビッグテックの本拠地である米国の状況はどうか。
「大統領の権限として、選抜徴兵法を行使するよう提案を受けた。全米で抽選を行い、今年20歳を迎える男女を選抜する」
バイデン大統領がウクライナを電撃訪問した1週間後の今年2月27日、バイデン氏がウクライナに米軍を送ると演説するフェイク動画がツイッターに投稿された。動画のキャプションには「核戦争の現実」と書かれている。
投稿したのは、米国で右派メディアを主宰するジャック・ポソビーク氏。動画を後段まで見ていくと、同氏が人工知能(AI)を使って作った動画と説明している。だが、スマートフォンで冒頭部分を見ただけでは、すぐにフェイク動画と気付きにくい。他の右派アカウントはこの動画を「速報」と銘打ってツイート。投稿は800万回以上表示された。
民主主義後押し…かと思いきや
対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」などの登場で、文章や画像を生成するAIが一般の人でも簡単に使えるようになった。大きな恩恵が期待される半面、悪用されるリスクも高まる。
「5秒分の誰かの音声データ…
- 【視点】
ChatGPTなどテキストの生成AIが注目されがちですが、画像・動画生成AIも物凄いスピードで進化しています。Twitterには「Stable Diffusion」で生成された女性の画像が大量に投稿されていますが、なかには何度見ても本物の女
…続きを読む