地元の返礼品に転換した泉佐野市 ふるさと納税のノウハウに視察続々

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田中章博
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 2017~19年にふるさと納税の寄付額が日本一になった大阪府泉佐野市。返礼品で積極的に寄付を募る手法が問題視され、税制度から一時除外された。国の決定を違法とする最高裁判決をへて制度に復帰してからは、「返礼品は寄付額の3割以下の地元産品」というルールに合わせ、返礼品を加工・製造する事業者の誘致や支援の仕組みづくりを進めている。

 今年4月に開かれた事業者向けの説明会。オンラインも含め府内外の70事業者を前に、市の担当者が「地場産品がないならつくってしまおう」と取り組みの趣旨を伝え、「夢のある仕組みです」とも強調した。

 かつての泉佐野市の返礼品は、大手メーカーのビールや航空会社のポイントなどが並び、アマゾンギフト券を付与するキャンペーンも展開した。

 ふるさと納税に復帰するにあたり、市は返礼品となる「地場産品」を生み出すことを強化した。

 返礼品を加工、製造する設備を市内につくる資金を、市のふるさと納税特設サイト「さのちょく」のクラウドファンディングなどで募集。寄付金が目標額を達成すると、市が寄付金をもとに補助金として事業者に支出する。

 事業者は補助金で工場を建設しながら、返礼品で受注を確保できるメリットがある。市に寄付金は入らないものの、新たな産業や雇用の創出にもつながるという。

 これまでに熟成肉や水ナスのピクルス、サツマイモのスイーツといった人気の地場産品が誕生。「よなよなエール」などを製造するクラフトビールメーカー「ヤッホーブルーイング」(長野県)の醸造所の建設も進む。

 市は、こうした取り組みを「#ふるさと納税3・0」と名付けている。

「ノウハウは出し惜しみしない」

 お得感に訴え返礼品による「…

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