プロ初勝利の阪神・石井 「野球は中学まで」の考えを変えた出来事
(11日、プロ野球 阪神タイガース2―1東京ヤクルトスワローズ)
野球は中学まで。阪神の石井大智にはそんな風に考えていた時もある。「中学3年の時は身長が160センチちょっとでガリガリだった」。チームメートには、後に秋田商高で甲子園に出て「東北のドクターK」と言われた成田翔(現ヤクルト)がいた。
「翔みたいに体が大きい選手が高校でも野球を続けると思っていた」
勉強の道へと考え、秋田高専に進んだ。でも、友人に誘われて入学後も野球を続けた。成田がプロ入りしたことで「単純な考えだけど、遠いと思ったプロの世界を近くに感じた」。筋力トレーニングに打ち込み、卒業後、独立リーグ高知を経て、2020年秋のドラフト8位で阪神入りした。
佐藤輝明や中野拓夢、この日先発した伊藤将司、4月に7回を完全投球した村上頌樹らは同期になる。
身長は175センチになった。3年目の今季、勝ちパターンの中継ぎを任されるように。この日は八回、2番手でマウンドへ。2死二塁で4番村上宗隆に勝負を挑み、四球でピンチを広げる。ここで2日前に決勝本塁打を放ったサンタナを迎えたが、25歳は慌てなかった。「村上選手は空振りを取りに(攻めて)いった結果の四球。悔いはなかった」。サンタナを内角高めの146キロ直球で一邪飛に。直後にチームが勝ち越し、初勝利が転がり込んだ。
「1歩ずつ進んでいきたい」。記念球をしっかりと握り、はにかんだ。(大坂尚子)
23イニングぶりの得点は木浪のバットから
阪神が木浪のバットで23イニングぶりの得点を挙げた。二回、坂本が中堅への三塁打で作った1死三塁の好機で、甘く入った133キロ変化球を振り抜き、右中間フェンス直撃の適時三塁打にした。「いい形でチャンスメイクしてくれたので、思い切ってスイングすることができた」
5年目の28歳。1年目の2019年には113試合に出場し、同期の近本とともに「キナチカ」コンビと呼ばれたが、そのままレギュラー定着とはならず。今季も開幕当初はベンチスタートが多かったが、結果を残し、正遊撃手の座をつかみつつある。まだ規定打席に達していないが、試合前まで打率3割6分4厘。これで7試合連続安打となり、好調を維持している。
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- 【視点】
たまたま現地で観戦していました。 1点リードの八回2死二塁、迎える打者はこの日2安打の村上宗隆選手。 右腕と左の強打者の対決よりは、次は右打者のサンタナ選手ということもあり、定石なら歩かせて塁を埋めるだろう。 あるいはワンポイント的に
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