「別に、俺が来たからとかじゃ…」 沢木敬介が横浜にもたらした変革

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松本龍三郎
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 ラグビー・リーグワン1部の横浜(旧キヤノン)は今季、トップリーグ時代を通じて最高順位のレギュラーシーズン4位で初めて準決勝に進出した。

 チームに変革をもたらした一人が、就任3季目の沢木敬介監督(48)だ。不振に陥った強豪サントリー(現・東京SG)をよみがえらせた名将が、横浜に植え付けてきた「勝者の心構え」とは。

 5月1日、東京都町田市のキヤノンスポーツパーク。快晴の練習場に鳥のさえずりが響き渡るなか、約18分間、沢木監督は報道陣の取材に応じた。

 ――メディアイベントで梶村祐介主将が「(4強決定時は)監督が一番うれしそうだった」とコメントしていました。

 「そりゃ、うれしいでしょ(笑)。プロパーの選手たち、例えば、庭井(祐輔)だったり、嶋田(直人)だったり、天野(寿紀)だったり。そういう選手たちはやっぱりうれしかったと思います。キヤノンの新しい歴史を作れたのは本当に、クラブとして成長した証だと思う。ただ、ここから更に進化していくというのも、大事なんでね」

 ――就任3季目で初の4強。昨季の6位から上昇した要因は何でしょうか。

 「俺が来る前、4年前? 12位なんですね。僕はね、キヤノンのことをあんまり知らないで来た。だからまあ、その時から考えるとやっぱりチームは全然変わってきます。今年のチームは本当に4強に入る力を持って、(4強に)ふさわしいチームになってきたなと感じはします」

 「ラグビーうんぬんじゃなくてね。(今季)4強に食い込めるんじゃないかと思えたのは、例えば、チームに対するみんなの思いとか。あんまり伝統のないチームって、なかなかそういうことがないじゃないですか。本当にここ1、2年でそういうところがすごく変わってきたなと感じます」

 「クラブのことを真剣にみんなが考えるようになったと思いますよ。そこが一番じゃないですか。別に、僕が来たから変わったとかじゃなくて。選手たちが強くなりたいとか、勝ちたいとか、チームとして変わりたいっていう思いが、本気になってきたんじゃないですか」

 ――チームを指導する上で、サントリー時代との違いはありますか。

 「また違う難しさがあります…

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