四川大地震から15年、被災地では追悼 党による復興アピール

四川省汶川県=井上亮
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 約8万7千人の死者・行方不明者を出した中国の四川大地震から、12日で15年を迎えた。地震で崩れた校舎が残されている四川省汶川県の「震災遺跡」では、地元政府の幹部らが追悼式典を行った。多くの人が追悼に訪れ、花を手向けたり、黙禱(もくとう)を捧げたりした。

 習近平(シーチンピン)指導部は地震後、被災地を愛国教育の拠点として活用し、復興を党による成果としてアピールしている。震源地で被害が大きかった同県は政府の方針で観光地化が進み、域内総生産は地震のあった2008年から約5倍に成長。商店を営む女性は「新型コロナの移動制限がなくなり、今年は観光客がとても多い」と話した。一方、近年は人口が流出し、地震前の10・5万人から2割減った。(四川省汶川県=井上亮)

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