トルコ大統領、続投のエルドアン氏 「カリスマ」が直面する難題とは
高野裕介
トルコの大統領選の決選投票で、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領(69)が続投を決めた。これまで約20年にわたって政権を握り、さらに5年間、中東の地域大国を率いることになるエルドアン氏は、どのような人物なのか。
「一緒にトルコの世紀をつくろう」
勝利後の演説でこう呼びかけたのは、今年10月に建国100周年を迎えるトルコで、自らが大統領を務めることを切望していたからだろう。建国の父ケマル・アタチュルク以来、最も影響力を持ったカリスマ的指導者だと言われてきた。
下町生まれ、敬虔なイスラム教徒
最大都市イスタンブールの貧…
- 【視点】
果たしてエルドアンはカリスマなのだろうか?確かに彼は一身に権力を集中させることに成功し、一部には熱狂的な支持者もいるが、ドゴールやJFKのような、敵であっても何らかの敬意を表さざるを得ないというタイプのカリスマではない。エルドアンは権力の使
…続きを読む